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DANダイバーズディ研究集会報告
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DANダイバーズデイ研究集会報告 2007年11月14日 報告者 : Keep Smiling ! 苅部徹 〈 開催日〉 平成19年11月10日(土) 〈 開催場所 〉 東京医科歯科大学 5号館4階講堂 〈 講演内容 〉 座長 DAN JAPAN代表 東京医科歯科大学大学院教授 眞野 喜洋 1「DANアメリカの潜水傷害と死亡者データ、安全性向上のためのアドバイス」 講師 DANアメリカ代表 ダン・オール ・生活習慣病に起因すると思われる40歳〜60歳の死亡事故が多い ・経験の少ないダイバーを含む事故も多い ・事故調査に関してはDANホットラインの病院で治療するため、事故者のデータが その医者から情報入手できる。そのうち8割はレポートで入る。2割は軽症である ため治療終了か途中で中断したか不明である ・今後さらに原因を解明したいので、全世界の情報を集めていきたい 2「健康とダイビング境界領域の障害について」 講師 DANヨーロッパ・マルタ地区ディレクター ラミロコルレオ ・マルタ共和国では全ダイバーの健康診断を義務付けている。ヨーロッパは義務付け されていない ・事故の中の28%が健康上の問題で、健康診断を行っていればその内25%は予防が できたのではないかと思われる。 ・50歳以上のダイバーの死亡事故が増えている。また、高齢化も進んでいる ・医師の潜水医学の知識が少ないこともあり、現状で健康診断を義務付けている国と そうでない国では死亡率に関しては大きな差がない。 ・健康診断を義務付けたマルタは全欧よりも40%事故の発生率が少ない ・身体能力と心理的な身体能力が必要 ・年齢が上昇するごとにボトムタイムを10%ずつカットしていったほうがいいのでは? ・必要な能力としては@泳げる能力Aコミュニケーション能力B責任感 ・うつ病に人に関しては上記AとBが要注意 ・無菌性骨壊死と減圧症は症状が似ているので要注意 3「ダイバーの救助」 講師 DANサウスイースト・アジア代表 ジョン・リップマン ・水面に早く浮上させることが大事 ・呼吸のない事故者に対して呼吸停止から15分以内であれば水面での人工呼吸は有効 ・呼吸停止から15分以上の場合の人工呼吸は無駄なので、速やかに陸・ボートに 上げてCPR,AED、酸素 ・まず、はじめに水面で1分間人工呼吸して、岸・ボートまでが5分以内ならそのまま 人工呼吸を継続する。 5分以上の場合はさらに1分間(合計2分)の人工呼吸後、岸・ボートまで曳航して 引き上げてから人工呼吸再開 4「減圧アルゴリズム」 講師 DANアフリカ代表 フラン・クロンジュ ・減圧のアルゴリズムにはいろいろな種類がある ・減圧モデルには広義のカテゴリーが2つある。ひとつは不活性ガス流入量を仮定し、 体内の気泡形成要素を決定するもので、ほとんどの減圧アルゴリズムはこの考えに 基づいている。もうひとつは曝露量と比較して減圧障害の発生率を考慮するもの ・ディープストップの概念 5「レクリエーショナルダイビングにおける医学・生理学研究分野の進歩 :最新の研究方法と知見」 講師 DANヨーロッパ・IDAN代表 アレッサンドロ・マローニ ・減圧症の人の治療結果はテーブル5&6を4〜5回で約95%の人が完治 ・ドップラー検査によってバブルの発生は無限圧限界内でも必ずある ・ダイビング前に体を温めたり、振動を加えたりする実験を試みたところ血管内の バブルは少なかった。血管の内側に皮膜をつくってバブルがとどまらないように している(?) 6「レクリエーショナルダイバーの安全ダイビングについて」 講師 前インターナショナル代表 ピーター・ベネット ・ディープストップを最大水深の半分で2.5分して、さらに5メートルで1分安全停止 をしたほうがバブルの発生を最大限抑制できる。1分間のディープストップでは不十分 ・浮上スピードは10メートル/分のほうが3メートル/分の遅い浮上よりもバブルの 発生が抑制できる ・US navyのテーブルで潜水しても反復潜水では5%はDCIが発生している
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